大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和37(オ)423 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由第一点について。

当事者の申出た証拠方法については、いわゆる唯一の証拠方法の場合を除き、審

理の経過からみて必要がないと認めるときは、その取調を要しないものであるとこ

ろ(最高裁判所昭和二四年(オ)第九三号、同二七年一二月二五日第一小法廷判決、

民集六巻一二四二頁参照)、本件記録によれば、原審第二回口頭弁論期日において

控訴人(上告人)から証人阿部金次郎の尋問申請があり、同第四回口頭弁論期日に

右申請が却下されたが、右証人申請はいわゆる唯一の証拠方法ではないことが明ら

かである。従つて原審が右証人尋問申請について、その必要がないとして却下して

判決しても原審の措置に何等の違法は存しない。(所論中第一審が同証人の取調を

しなかつたとの点は第一審の訴訟手続違背を主張するものであつて、上告適法の理

由とならない)。

その他の論旨は原審の適法にした証拠の取捨判断、事実の認定を非難するもので

ある。

論旨はすべて採るを得ない。

同第二点について。

仮処分の執行により仮の履行状態が作り出されたとしても、裁判所はかかる事実

を斟酌しないで、本案の請求の当否を判断すべきものと解するのを相当とする(最

高裁判所昭和三一年(オ)第九一六号、同三五年二月四日第一小法廷判決、民集一

四巻一号五七頁参照)。従つて原審が所論の本件建物は昭和三四年一一月一六日石

巻簡易裁判所同年(ト)第一六号仮処分決定により収去された事実を斟酌すること

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なく、本案の請求の当否につき判断をなし、判示の如く判決をなしたことは相当で

あつて、原判決に所論の違法は存せず(所論中第一審判決に対する非難部分は上告

適法の理由とならない)、所論は、ひつきよう独自の見解に立つて原判決を非難す

るものであつて採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

裁判官 草 鹿 浅 之 介

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